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公益社 東京営業部 |
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| まえがき 団塊世代の葬儀について考えるきっかけは、現在の当社の葬儀の在り方への母からの注文と団塊世代の特性についての話の中にあった。母の場合、自分の葬儀は従来のような葬儀ではなく「もっと違った様式を」と望んでいる。具体的には「通夜」「告別式」というように時間を区切らずに「お別れ会」のようなものにして欲しいというものであった。亡くなってから2日間程は自宅に安置し、好きな時間に弔問に来ていただき皆さんにお別れをしていただく。その後家族のみで火葬し、骨葬という形でお寺様にお経を読んでもらいたいということだ。また母の周りの知人達も、葬儀に対して不安もあるが希望もある人が多い。母が従来どおりの葬儀を希望しないで別のものを希望している理由は、その年代の考え方にあるようだ。 その年代には、ベビーブーマーといわれる現在50歳代前半の人達が該当するわけだが、祖父母の世代と大きく違う点がある。それは、生活レベルと老後への不安である。戦後生まれで高度成長時代に過ごし成人した団塊世代は、経済の安定により、量より質を求めるようになっていった。しかしそうはいっても現在は不況が継続し、漠然とした老後への不安がある。また少子化により、子供に老後の面倒を見てもらうことも期待出来そうにない。こういった背景から、自分の葬儀に関しては自分達で考え、しかも自分達の希望に合う形で葬儀を行うという人が増えているように思う。実際当社では、両親の葬儀についてはもとより自分の葬儀について事前に相談にくる人が増えている。 また人口比率の面から見ても、2000年までは、消費人口として期待される20歳〜50歳の人数より50歳以上の人数の方が少ないのに対し、2005年には、逆転するのである。ということは、葬儀の消費対象を50歳以上と考えるならば、その需要も同時に増えていくと考えてもよいのではないだろうか。よってマーケットとして大きいこの団塊世代の葬儀へのニーズを捉え、需要を創出することが葬儀社にとって重要になっていくと思われる。第一章では、まず団塊世代とはいったいどのような世代なのか、ということについて見ていきたいと思う。 |
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第一章 団塊の世代とは |
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| 1.団塊世代の歩み 団塊の世代とは、狭義にはベビーブーマーといわれる1947年から1949年に生まれた人達のことをいう。戦後の日本では、海外からの復員や引き上げもあって、年間約270万人もの子供が誕生した。その数延べ806万人。 まず、団塊の世代がどんな歩みを遂げてきたのか日本の経済状況を踏まえながら見ていきたい。戦後すぐに生まれた彼らは、やがて「三種の神器」(洗濯機、冷蔵庫、掃除機)が普及することからも分かるように生活レベルが上昇する中で子供時代を過ごす。そして、1960年頃から高度経済成長期に突入し、企業の人手不足から大量の新卒雇用が開始される中「金の卵」として就職する。周囲に期待され、バリバリ働き、オイルショックによる不況を乗り越え、再びバブル景気を謳歌した。しかし、バブル崩壊、IT技術の発展による産業構造の大きな変化の中で、少子化、リストラ、住宅ローンの問題を抱えている。戦後の日本経済と団塊世代の歩みは連動していると捉えてよいと思われる。では、この団塊世代の特徴とは何だろうか。よく言えば、バランス感覚がある、悪く言えば、数だけで強烈なインパクトに欠ける世代と表現される。それは、一世代前が追求した企業の論理、すなわち滅私奉公に対し、団塊世代は会社よりも自分の生活、建前よりも本音という風潮がある一方で、現実は前の世代が切り開いたものを大衆化させただけではないかと批判もあるからである。団塊世代は以上のように「混沌とあいまいさ」をもつ世代と思われる。 |
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葬儀を意識する年代は50代くらいからであるように思う。近親者の葬儀を想定する場合と自分の葬儀を想定する場合の2通りが考えられるが、上記の団塊世代の傾向が葬儀に関してもあてはまるのかを第二章ではアンケート結果をもとに検証していきたいと思う。 |
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第二章 アンケート実施記録、ヒアリング記録 |
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| 1.アンケート実施記録 本章では、インターネットでの葬儀アンケートと大本山総持寺瑞応殿祭りでの来場者アンケートをもとに、団塊の世代は葬儀に関してどのような傾向があるのかを見ていきたい。 《インターネットアンケート》 《総持寺アンケート》 |
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全体では、「具体的に考えたことがある」(約8%) 「漠然と考えたことがある」(約46%) 「考えたことがない」 (約46%) 50代では、「具体的に考えたことがある」(約13%) 「漠然と考えたことがある」(約56%) 「考えたことがない」(約31%) この結果からは葬儀について関心が高いとは言えない。「具体的に考えたことがある」人は全体の13%にすぎない。 |
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インターネットアンケートでは、年代に関わらず「世間並みの葬儀を行いたい」か「質素に行いたい」のどちらかである。総持寺アンケートの団塊の世代では、「質素に行いたい」が(61%)とかなり大きな数字になっている。「世間並み」にしても「質素」にしても抽象的であり、人によって違いがみられると思われる。そこで内容をさらに抽出してみる。 抽出内容・・世間並みの葬儀を行いたい、質素に行いたい (50代、インターネットアンケート) |
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(表1)
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| 「世間並みの葬儀をしたい」と答えた人の葬儀への関心度はどうかというと、 「自分自身の葬儀について漠然と考えたことがある」(53%) 「自分自身の葬儀について考えたことがない」(34%) 「自分自身の葬儀について具体的に考えたことがある」(13%) とやはり関心度としては低いと言わざるを得ない。具体的に考えていないからこそ「一般的に」にと考える傾向にあることが分かる。 また、葬儀を行う場合、どのくらいの費用がかかるのかという質問に対し、100万〜150万と150万〜200万を選んだ人が僅差である。 また祭壇については、白木祭壇を選んだ人が43%とかなり多い。 「質素に行いたい」と答えた人の葬儀への関心度はどうかというと、 「漠然と考えたことがある」(60%) 「考えたことがない」(26%) 「具体的に考えたことがある」(14%) と世間並な葬儀を希望している人よりも漠然と考えている人の割合が高いが、やはり具体的に考えている人は14%と低い。また、費用についてはどうか。最も割合的に多いのは、50万〜100万(32%)で2番目に多いのは100万〜150万(25%)である。祭壇について意外なのは、最も割合が大きいのが空間を重視した「デザイン祭壇」ということである。安易に質素希望だからと言って従来からの白木祭壇を選ぶということではないようだ。また、花祭壇は生花祭壇ということで、まず高いと思う人がいるのも事実である。質素にしたいがセンスのあるものを、と思う人と、質素にしたいから特にこだわらない人と両方いる。 |
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(グラフ3)より、精進落としの料理はどのようなものを用意したいかという問いに対し、「自分の好きな料理」「故人の好きな料理」など、自由な選択肢があるにも関わらず、「葬儀社のすすめる料理の中から選んで用意したい」を選んだ人が最も多い。サンプル全体では(38%)、団塊世代が(47%)という結果となった。 |
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(グラフ4)より、費用の決め方について、「すべての事柄について一つひとつ検討して決める」方法が葬儀へのニーズに対し最も忠実であるように思われるが、この選択肢を選ぶ人は少ない(全体25%、団塊世代20%)。特に、団塊世代に関して言うならば「葬儀社が提案するセット料金から決めたい」を選択した人の割合は40%と大きい。サンプル全体では29%である。葬儀費用全体として、膨れ上がる心配のない「セット料金」=安心 なのだろうか。 (グラフ3)の精進落としの料理の決め方についても、(グラフ4)の費用の決め方についても、団塊世代の選択した結果からは『保守的』な印象を受ける。 次に実際費用としてはどのくらいを考えているのかを見ていく。インターネットアンケートでは、200万円以下の葬儀を希望している人が約8割であり、当社世田谷営業所における過去2年間(H13.H14)の葬儀施行データからも同様の傾向が見られたが、サンプル全体と団塊世代の間で異なる特徴は見られなかった。 自分らしい葬儀を希望している方について(総持寺アンケートより) |
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■葬儀について考えるきっかけ ■演出 ■費用 ■形式、合理化 ■エンバーミング ■事前相談 ■団塊世代としての意識 |
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まとめ 団塊世代の今後の葬儀 |
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| 団塊世代は、日本経済と連動しながら歩みを遂げてきた。戦後に生まれ、高度経済成長を経て生活が安定する中で過ごしてきたが、現在は様々な問題を抱え、老後への漠然とした不安がある人が多いようだ。「混沌とあいまいさ」という言葉が団塊世代の特徴を表すものであろうと前述したが、はたして当たっていただろうか。アンケート、ヒアリング記録からは、その影が少し見えてくる。「混沌とあいまいさ」とは、「一世代前が追求した企業の論理と滅私奉公に対し、団塊世代は会社よりも自分の生活、建前よりも本音という風潮がある一方で、現実は前の世代が切り開いたものを大衆化させただけではないか」という意味で使っているが、アンケートでは、団塊世代は意外と「保守的」であるという結果が得られ、ヒアリングからは、団塊世代の葬儀への「関心度が低い」ことが分かった。新しい葬儀形式を選択しない理由には「体裁」というものが大きくのしかかっているようだ。これは、親戚、近所、会社に対してなど様々であると思われる。(グラフ2)からも分かるように「施主となった場合、どのような葬儀を行いたいと思いますか」という問いに対し、「質素に」と同様の割合で「世間並に」を選んでいるからだ。とは言っても序章で述べた母達のように「こだわりをもつ世代」であることに変わりはない。一章の事例からも分かるように、従来通りのものに不満のある人もいる。 今回は、「団塊世代独自のニーズとは何か」を探るつもりで調査を行ったが、想定した結果が得られなかった。その理由としては、葬儀が非日常すぎて普段の生活で話題になりにくく、まだニーズを得られるような段階に到達していないからと思われる。当社としては日常生活でもっと葬儀に関心を持ってもらうにはどうしたら良いかを考えなければならない。それはまず、葬儀について考える「きっかけ作り」をすることであるように思う。しかし、葬儀について事前に考えるというこの一歩をなかなか踏み出さない人が多い。したがって当社がこれからすべきことは、「葬儀について考えることは当然のこと」という意識付けだと思う。葬儀について一度真剣に考えたことのある人は、次に葬儀について考える時には1回目のような抵抗感がなく、テレビなどで取り上げられた時にも興味をもって見ることが出来るという。当社としては意識喚起のためのPRが必要であり、次のステップとして事前相談を積極的に行わなければならない。団塊世代の方にヒアリングで3パターンの祭壇について伺った際、オリジナリティの高いものをご覧になって「こんなのもあるのねえ、でも事前に知っていないと突然葬儀の時に提示されても選べないわ」という答えがあった。葬儀が少しずつ自由なスタイルに変化し、自分の希望を取り入れた形で執り行うことが出来るようになってきているという事実をお客様が知らないと、要望として葬儀社に伝えることは難しいと思われる。 一般の方に葬儀に関して興味を持っていただく方法として、事前相談またはこちらから出向いての出張説明が必要である。また、実際の葬儀においては参列者への提案も出来る。例えばオリジナリティの高い葬儀を増やすことで、「こんな葬儀もあるのね」と参列者への意識付けが出来る、ということだ。 また、営業所に相談コーナーを設け、「公益社に行けば何でもきちんと教えてくれる」と思われることが非常に重要であり、そのためには常駐している者が豊富な知識を持っておくべきであるように思う。 また、費用に関しては、アンケート結果から「葬儀への費用は200万以下で」と考えている人が、団塊世代を含む50代では60%以上であり、費用の決め方で「葬儀社が提案するセット料金から決めたい」という考えの人が40%いることが分かった。 今回の調査では、団塊世代がどんな形式の葬儀を望んでいるのかということを具体的には提示できなかったが、今後はもっと潜在的ニーズを引き出しやすい形のアンケートの質問を検討し、数多くのヒアリングを実施していきたい。 |
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| [参考文献] 岸田ひろ子著 『なるほど!マーケティングデータブック団塊編』 2001年5月25日 (株)スタープレス 堺屋太一著 『日本の盛衰』 2002年10月29日 PHP研究所 天野正子著 『団塊世代・新論』 2001年2月15日 (株)有信堂高文社 弘兼憲史著 『我ら団塊世代の反論』 2001年2月15日 (株)講談社 日経ビジネス 『団塊が引退する日』 2002年11月11日第1166号 日経BP社 日本経済新聞2001年12月3日記事 日本経済新聞2003年2月27日記事 |
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