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東京都出身。
雑誌社にカメラマンとして入社。雑誌、美術書、歴史書の編集なども経験。その後独立し広告代理店を設立、イベントプロデューサーとして横浜博、信州博(テクノランド館)などのプロデュースを手掛ける。
平成元年 世田谷の葬儀社と専属契約を結び企画室長としてCI及びパブリシティを展開、新しいコンセプトの式場建設も手掛ける。
平成13年 フリーのセレモニープロデューサーとして、大型社葬やホテル葬のプロデュースなども手掛けている。又、雑誌などへの執筆活動、全国の葬儀社へのコンサルティング、BMC(banquet manager's conference)、フューネラルビジネスシンポジュームでの講演や「駿台トラベル&ホテル専門学校」講師等も勤め、最近はテレビ(ワールドビジネスサテライト)出演などでも活躍している。
 
 よく「光陰、矢の如し」と言われますが、時の経つのは本当に早く、季節はいつの間にか晩秋になろうとしています。今年の夏は記録的な猛暑で、全国各地で「最高気温の更新」というニュースが聞かれました。アテネオリンピックで日本選手が大活躍し、日本中が熱狂したのはついこの間だったような気がします。しかしあの「暑い」夏の面影は、もうどこにも見当たりません。
 世間には「季節もの」と呼ばれるものがたくさんあります。夏の季節ものと言ったらなんでしょう?ビヤガーデン、スイカ、冷やし中華…。どうも食べ物ばかりが浮かんできますが、風流なものには「セミの声」なんていうのもありますね。秋の声を聞いたとたん、パッタリその声を聞かなくなりました。
 聞くといえば、そのセミの声と同じように夏季限定で聞くものに「怪談」があります。
 落語というと「笑わせるもの」と相場が決まっていると思われがちですが、落語の中にも「怪談噺」というのがあって、昔は夏の風物詩のひとつでした。「四谷怪談」とか「番町皿屋敷」などが有名ですが、この怪談話の名人と呼び声が高かったのが、幕末から明治にかけて一世を風靡した三遊亭圓朝です。茹だるような暑さの中で彼が名作「鰍沢」を語り始めると、クライマックスでは客が身震いをしたという逸話が残っています。本当だとしたら、その方「ぞっとする」ような話ですが…。
 この怪談噺の名作「鰍沢」ですが、元々は客から出された三つの題を即席で一席の落語に仕上げる「三題ばなし」でした。この三題ばなしというのは、昔は奇席でよく演じられていたようですが、今はほとんど見かけることはありません。客から出されたお題を即興でまとめ、それにストーリーをつけた上でオチまでもっていくというのは、落語家として並大抵の力量ではありません。客の方も心得たもので、わざわざ難しい脈絡のないお題を出すわけですから、そこには客と落語家の真剣勝負のような緊張感もあったのでしょう。
 その時、圓朝に出された三題は「鉄砲」「卵酒」「毒消し」(「小室山の護符)「卵酒」「熊の膏薬」という説もある)で、このまったく脈絡のない三題を瞬時にまとめ、稀代の名作に仕上げた圓朝の落語家としての力量、特に豊富な情報量と感性の閃きや、幅広い発想に立った創造力には驚くばかりです。それこそが寄席という客との真剣勝負の場で培った圓朝の底力であり、彼をして「名人」と言わしめた本物の話芸だったのではないのでしょうか。
 さて、私は長年にわたって葬儀をプロデュースする仕事に携わってきましたが、プロデューサーに必要な基本的資質とは次のようなものではないかと考えていきます。

幅広い発想に立ち、創造力があり、豊かな感受性をもっている。
好奇心旺盛で、感性の閃きがあり、明確なビジョンが描ける。
プランニングカ・説得力・行動力に優れている。
エキサイティングなものに対して、素直に即応する感覚をもっている。
情報とノウハウの蓄積を怠らない。
豊富な人的ネットワークをもっている。
設定された方針に従って、与えられた資源をバランスよく活用できる。

  こうしてあげてみると、瞬時に個別の情報をひとつにまとめ、新しいものを生み出す創造力に「プロの技」を見せつけた三遊亭圓朝は、「素晴らしいプロデュース力の持ち主」だと思いませんか?
 彼はその「名人芸」といわれる話芸で多くの人々を魅了し、後世に語り継がれることになりました。三遊亭圓朝は弟子のひとりに対して、次のように語っています。「噺家はお客様からお金をいただけるような噺をしなければならない」と。言い換えれば「価値を創造できるものこそ本物なのだ」ということでしょう。
 葬儀に携わる人間として、「お金をいただく価値のある葬儀」とは何なのか?そのために不可欠なものが「プロデュース力」なのではないかと思います。日頃からそのことを真剣に考え、いざという時に、客のリクエストに見事に応えてみせた三遊亭圓朝のようなプロデュース力を発揮したいものです。
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