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| 吉田 |
昔は逆縁といって、親より子どもが先に亡くなった場合は、親は火葬場へ行かないことが常でした。しかし、我々は、必ず火葬場へ同行していただくようにおすすめしています。特に事故による急死の場合などが顕著ですが、遺体とお別れをしないと”死“をなかなか受け入れられない。そうすると、逆に後に苦しむことになりかねませんから。
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| 香山 |
一般的に、日本人は遺体を怖いものとして忌み嫌う傾向があるようですが、きちんと遺体と対面して、自分のなかに”死“を受け止めることが大切です。そういう意味でも、お葬式というのは、心のけじめをつける上でとても大切なものだと思うんです。
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| 吉田 |
葬儀のスタイルというものは、長い歴史の中で、試行錯誤を経て、現在の形になったものだと思います。公益社では、従来のしきたりを踏襲しつつも、CADやCGを用いてデザイナーが祭壇をデザインするなど、亡くなられた方らしいスタイルで、ご遺族の希望に沿うような葬儀を心がけています。どんなに高齢で天寿を全うされた方のご葬儀にも、悲しんでいる方は必ずいらっしゃいます。ですからたったお一人でも、悲しみの大きな方に焦点をあてた心配りを大切にしています。葬儀はあまりに形式ばると形骸化してしまいますからね。
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| 香山 |
いや、私は形式もある部分では大切だと思うんですよ。現代はあまりに合理性を追求して、無駄や世俗的なことを置き去りにしています。しかし、そういう部分に実はとても大切な意味がある。人の死というショッキングな体験をきちんと受け入れ、故人とお別れするけじめをつけるための儀式として、形は残っていってほしいと思います。
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| 吉田 |
たしかに、葬儀には儀式のほかにも、昔から伝えられている日本のマナー、立ち居振るまいが求められます。葬儀はそういうことを改めて見直す良い機会にもなりますね。
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| 香山 |
最近では、形式にとらわれないスマートな葬儀が話題になってますが、私はやはり、お葬式は厳粛なものであってほしいと思いますよ。私は神戸芸術工科大学で学生たちに視覚情報デザインを教えているのですが、卒業制作で仏壇を作りたいという学生がいました。 |
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なぜかと聞いたら、おばあさまが亡くなられて、「生まれて初めて葬儀に参列して”儀式“に感動したから」というんです。また、将来は葬儀屋さんになりたいという学生もいます。それは、人に奉仕でき、またリスペクトされる職業だからだそうです。私たち大人が考えるよりずっと、今の若い人たちは、葬儀に興味があるし”カタチ“を知りたがっていると思いますね。 |
| 香山リカ |
精神科医。神戸芸術工科大学視覚情報デザイン学科助教授。学生時代よりリカちゃん人形の名をペンネームとして、雑誌等に寄稿。その後も臨床経験を生かして、新聞、雑誌で社会批評、文化批評、書評なども手がけ、現代人の“心の病”について洞察を続けている。専門は精神病理学だが、テレビゲームなどのサブカルチャーにも関心を持つ。 |
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| 吉田武 |
1937(昭和12)年、三重県生まれ。56(昭和31)年、四日市商業高等学校卒業。住友銀行を経て、90(平成2)年、株式会社公益社入社。2003(平成15)年4月、公益社代表取締役社長に就任し、現在に至る。 |
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| 吉田 |
それはとてもうれしいお話です。私どもも、皆さまに感動を与えられるような葬儀をこれからも心がけていきたいと思います。
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